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第1話 栄光からの転落 ―その謎を解く―
3コーナーあたりから進出し4コーナーで馬群を割って進出するという常識破りのレースぶりで強さを見せつけた皐月賞（昭和58年4月17日）。
競馬とは、字のごとく馬が競うものである。ちなみに、広辞苑で“競馬”を引いてみると、「馬場を設け、騎手が騎乗して2頭以上の馬を駆けさせ、勝則を決する競技。古式競馬は競べ馬などと称」とある。すなわち、“馬が能力を競いあう”ということが競馬の大前提かつ定義にほかならない。
競馬がサラブレッド同士の争いである以上、個々の馬が比較の対象にされてしまうことは避けられない。それだけに、ある意味では不毛の議論とも思える“最強馬論争”が競馬ファンの間で頻繁におこなわれるのも、競馬の定義からすれば当然であろう。
さて、回りくどい前置きになってしまったが、ミスターシービーというサラブレッドを語るにあたって、そういった“最強馬議論”という面から考察すると、実におもしろいことに気付く。すなわち、いわゆる最強馬議論において、ミスターシービーの名が挙がることがほとんどないということだ。
ミスターシービーは昭和58年に皐月賞、ダービー、菊花賞に勝った、いわずとしれた3冠馬である。しかも、翌年の天皇賞にも勝っているわけだから、“史上最強”の一頭に数えられるのは、本来ならごく自然のことといっていい。ところが、ミスターシービーを“最強馬”と評価する人はほとんどといってもいいくらいいないのだ。なぜなら、周知の通り、1歳下の3冠馬シンボリルドルフによって徹底的に叩きのめされたからである。どうしてもかなわなかったライバルが現実にいた馬に“最強馬”の資格が与えられないのは当然であろう。
恵まれて3冠に勝つことができたラッキーな馬……。
ミスターシービーをそう評する人は極めて多い。しかし、筆者のような熱狂的シービー信奉者にとっては、決して認めたくない事実ではある。
伊藤雄師会心、完ぺき仕上げ/秋華賞
2005年10月17日（月） 8時56分 日刊スポーツ
＜秋華賞＞
エアメサイアを管理する伊藤雄二師（68）にとっても会心のG1制覇となった。「どんな競馬を見せてくれるのか？ 楽しんで見ていられた」。2着と首差の大接戦をリラックスムードで見ていられたのは、それだけ状態に自信があったから。「とにかく馬が落ち着いていた。馬体も増えていると思っていましたからね」。現役最多勝トレーナーの手腕を見せつける完ぺきな仕上げだった。
次走については「使った後1週間ほどは馬体をチェックしたい」と決定を避けたが「女馬ですから（目標は）1つしかないでしょう」と、11月13日京都のエリザベス女王杯（G1、芝2200メートル）が当面の目標となる。目下の充実ぶりなら古馬とも互角以上に戦えるはずだ。
[ 10月17日 8時56分 更新 ]
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